いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「皿1枚洗えば、きっと状況はよくなる」


『貧困女子のリアル』(沢木文著・小学館新書)のなかで、こんなエピソードが紹介されていました。

 今まで、貧困状態にある女性の事例ばかり紹介してきたが、借金があっても、シングルマザーでも、貧困を脱した女性は少なからずいる。かつて取材した女性の中に、高卒のシングルマザーで借金100万円。しかし全額返済し、堅実な会社員男性と子連れ再婚した人がいる。美里さんと話していると、脱貧困したその女性の言葉を思い出す。
「借金の取り立てがヤバくなって、時給が高いビジネス街のファミレスでアルバイトをしたことがあったんです。ある時、ホールのテーブルはぐちゃぐちゃ、厨房は注文過多でパンク、洗い場は汚れた食器だらけなのに、スタッフは3人。お客様は列を作っていてイライラしている。絶体絶命だったのですが、店長が、”よし、皿1枚洗えば、きっと状況はよくなる”と、自らお皿を洗ったんです。すると、仕事が回り始めたんですよ。それってすごいな、と思いました。ホントにヤバいときは、目の前ですぐにできることをやればいいんだと、小さいことでいいんだと、その積み重ねで、借金生活を脱出できたように感じます」


目の前の困難があまりにも大きくて、何をどうすれば良いのかわからなくなり、すべてを投げ出してしまいたい、そんなときって、ありますよね。
あるいは「困難の全体像」ばかりが見えてしまって、身の丈にあわないものを背負ってしまったとき。


いまは、いろんな情報がすぐに手に入るし、他の人の声も届いてくる。
広くなりすぎた視野から、いろんなものを呪ったり、社会に対して訴えたりしてみても、自分の無力さを思い知らされるだけ。
そんなときに、この「皿1枚洗えば、きっと状況はよくなる」という言葉を思い出してみてください。
いま、自分の目の前にある問題、そのなかの小さなひとつから、できることから、まず解決していくしかないこともあるのです。


もちろん、すべての状況に、この「皿1枚洗えば」があてはまるわけではないでしょう。
でも、少しずつでも前に進むしかないことって、あるんだよね、きっと。


自戒をこめて。


貧困女子のリアル (小学館新書)

貧困女子のリアル (小学館新書)

貧困女子のリアル(小学館新書)

貧困女子のリアル(小学館新書)