いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「飲み会に参加すると、いつもうまく話せずに後悔してしまう」という人へ

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僕も飲み会苦手なので、共感しながら読みました。
この時期って、歓迎会もあるし、新しい場所で、飲み会に誘われる機会も多いですよね。
今は、僕が社会人になった20年前よりも「飲み会に来ない人」への反発は目立たなくなっているとは思うのだけれど、ああいう場所で、周りの人にうまく話しかけられないというのはけっこう辛いものだし、なんとなく流れで周りから人がいなくなってしまって、ひとりでポツンと取り残されてしまうのもイヤなものです。


非コミュ」っていうのは、なにかとめんどくさいものなんですよ。
周りに人がいると、うまく場の雰囲気に溶け込めないことがストレスなのに、ひとりきりになると、不安でたまらない。
懇親会でグラスを片手に会場を泳ぎ回っている人をみて、溜息ひとつ。


そんなふうに「コミュニケーション」に悩んでしまうとき、参考になる本をいくつか御紹介したいと思います。


とりあえず、この本から。
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 著者の吉田尚記さんはニッポン放送のアナウンサー。
 たぶん、吉田さんのスタート地点って、僕と同じくらいの「飲み会で知らない人の隣に座るのってイヤだなあ」というレベルだと思うんですよ。
 先天的に「明朗快活、人間大好き!」という人のコミュニケーション術を真似するのは、僕には無理。
 でも、自分と同じところから這いあがろうとした人の話には、頷かされるところも多いのです。

 コミュニケーションそのものをより深く楽しむために、コミュニケーションのスキルを磨くべきなんです。

 飲み会で「自分をアピールしよう」「人脈をつくろう」と思うから、あれこれ考えてしまうわけで、「とにかく楽しくその場を過ごすこと」を目的とすれば、話はシンプルになる。

 コミュニケーションには、こう来たらこう受ける、こう受けたらこう出すという「型」がたくさんある。それはある種のパターンで、反復可能だし人に教えることもできる。定石を駆使するだけで、いまこうなってるからこっちに振ってみようとか、相対的なコミュニケーションがとれるようになったんですね。

 コミュニケーション能力は「積極性」や「人間性」の問題ではなく、語るのではなく、訓練しない向上しない「技術」なんですよね。
 「自分が輪の中心にいて、みんなにあれこれ話をする」だけが正解なわけじゃない。
 僕が読んだコミュニケーション指南本の多くで、このことに言及されています。



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 この本は、「友人・知人との日常のコミュニケーション」よりも、「公の場での他人との付き合いかた」の参考になるところが大きいのではないかと思います。
 これ一冊ですべてが変わる、ということは無いでしょうけど、「コミュニケーションは精神論ではなく、スキルを磨くことによって上達できる」というメッセージが伝わってくる良書だと思います。



ちなみに、押井守さんのこんな本もあります。
どうしても自分は飲み会で仲良しごっこなんてできない、という人は、理論武装してしまうのもひとつの手かもしれませんね。
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「めんどくさい」のは自分だけじゃなくて、たぶん大部分の人にとっても、「飲み会って、めんどくさい」ものであり、その「めんどくさいことを、なるべくめんどくさがらずにやれる人」のほうが、大部分のコミュニティでは重宝される、というのも事実なんですよね。
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こういう「小さなつながり」の蓄積が、いずれ、他者からの評価における大きな差になってくることもあるのは、知っておくべきでしょう。



ただ、どうしても耐えられない、という人は、あんまり無理をせずに、「行かない」のもひとつの選択肢と考えてください。
「飲み会でずっとつらそうにしている人」になるよりは、家でDVDでも観ていたほうが、こちらにとってはラクだし、周囲もフォローしなくてすみます。


その場合、ひとつだけ注意しておきたいことがあります。
それは、「行かない」ときには、なるべく早めに「行きません」と、はっきり返事をしておく、ということです。
僕は以前、なかなかはっきり断れない人間で、そういうときに「行かない」って宣言するのって、なんか気まずいなあ、と「行けたら行きます」という返事をしてしまうことが多かったんですよね。
それで、直前になって、「すみません、行けなくなりました」ということになったり、嫌々ながら参加して、やっぱりうまくやれなかったり。
飲み会の幹事にとっては、誰かの出欠がはっきりしない、という状況は、かなり迷惑なものなのです。
ひとり人数が変わるだけで、店に連絡しなければならないこともあるし、ドタキャンとかだと、お金が足りなくなって、幹事が「かぶる」ことにもなる。
もちろん、その後でドタキャンした人に請求することもできますが、お金の催促というのは、する側にとっても、けっして気持ちのよいものではありません。


「行かない、行きたくないのであれば、なるべく早く、はっきりと断りの返事をする」
気を遣って、「どうしようかな……」と言っているつもりが、相手に余計な手間をかけることにしかなっていないというのは、悲劇です。
もちろん、最善の策は「飲み会に参加して、うまくやる」ことなのでしょうけれど、それが無理なら、しかたがない。
中途半端に期待を持たせたり、ドタキャンするよりは、ちゃんと最初の誘いの時点で、断りましょう。
もし、その場では「未定」の返事しかできない状況でも、なるべく早めに確認して、参加・不参加を連絡するべきです。
そうすれば、「付き合いが悪い人」だと思われても、「無責任な人」「アテにならない人」だという評価は避けられます。
その「迷っているフリ」は、誰も幸せにはしないのです。



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