いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

最近10年の『このミス』1位(国内編)を振り返ってみます。

このミステリーがすごい! 2016年版

このミステリーがすごい! 2016年版


今年も『このミステリーがすごい!』のランキングが発表されました。
『このミス』の2016年版の国内編1位は、米澤穂信さんの『王とサーカス』でした。
昨年の『満願』に続いての連覇は、国内編の『このミス』では初めてだそうです。


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ミステリ「も」読む、という程度の僕がミステリを語るのは気が引けるのですが、最近10年の『このミス』1位を僕なりに振り返ってみます。

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この中で、なぜ2006年『容疑者Xの献身』以降かというと、単に、この年以降の1位は全部読んでいるから、というだけです。ミステリマニアの皆様すみません。


2006年1位:容疑者Xの献身 ☆☆☆☆☆
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2007年1位:独白するユニバーサル横メルカトル ☆☆☆☆
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2008年1位:警官の血 ☆☆☆☆☆
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2009年1位:ゴールデンスランバー ☆☆☆
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2010年1位:新参者 ☆☆☆☆
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2011年1位:悪の教典 ☆☆☆☆☆
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2012年1位:ジェノサイド ☆☆☆☆☆
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2013年1位:64(ロクヨン) ☆☆☆☆☆
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2014年1位:ノックス・マシン ☆☆☆
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2015年1位:満願 ☆☆☆☆
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こうしてみると、さすがに1位になるような作品は、名作揃いだよなあ、と。
今から考えると、『ゴールデンスランバー』の☆3つというのは、あまりにも(僕が)気負ったというか、ひねくれた評価で(当時、伊坂作品の最高傑作、とかやたらと持ち上げられていたのですが、「これが最高傑作じゃないだろ」と反感を抱いていたのです)、他との比較を考えても、☆4つで良かったのではないか、と反省しています。
『ノックス・マシン』は、まさに「ミステリマニア向け」という感じで、僕はよくわかりませんでした……


しかし、こうして眺めていると、最近10年の『このミス』の1位って、これがミステリなのか?と思うような作品もけっこうありますよね。
『ジェノサイド』とか『悪の教典』は、アクションとかサスペンスとかではなかろうか。
いや、何がミステリなのかというのは、非常に難しい問題ではあるのでしょうけど。
そして、いわゆる「叙述トリック」も、2004年の『葉桜の季節に君を想うということ』が1位をとって以来、1位にはなっていません。
近年のランキングをみていると、「叙述トリック」も新しいものは出にくくなっているし、「謎解き」よりも「物語としての完成度」が重視されているように思われます。
そもそも、これだけ科学捜査が進歩してくると、名探偵よりもDNA鑑定だし、携帯電話がある時代に「密室」をつくるのは非常に困難です。
スーパーファミコンで『かまいたちの夜』をやったときに「今の世の中で密室をつくろうと思ったら、こんな吹雪のペンションというような舞台設定にせざるをえないんだなあ」と思ったんですよね。
今はもっと、完全犯罪は難しくなっているのです。都会の街中は監視カメラだらけで、道路にはNシステムが設置されていますし。


ちなみに、この1位の作品群のなかで、僕のおすすめは『容疑者Xの献身』『64(ロクヨン)』です。
どちらもすでにベストセラーになっているんですけどね。