いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

ベータマックス、シャープX1、X68000、セガ・マーク3、サターン、Macintosh、広島カープ……

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これを読みながら、僕はいままでの物欲人生を、振り返らずにはいられませんでした。
ベータマックス、シャープX1、X68000セガ・マーク3、サターン、Macintosh、広島カープ……
 

なぜ、僕はこんなに「負け組」にばかり、肩入れしながら生きてきたのか。
「反骨心」といえば格好いいのかもしれないし、カープに関しては、小学校時代に住んでいた地域では「学校の先生が音楽の授業でカープの応援歌を教える」ような場所だったので、その地域ではむしろ「巨人の帽子とかかぶっていたら、命の危険を感じる」レベルだったので、マイノリティとも言えないのだけれど。


そもそも、これらは、「負け組」ではあるけれど、「マイナーメジャー」あるいは「メジャーの片隅」くらいのものではあります。
「私って、サブカル大好きなんですよ、みんなとは趣味が合わないんです!」
という女の子に「じゃあ、何が好きなの?」と尋ねると、
筋肉少女帯」「聖飢魔Ⅱ」とか言うのを聞いたときのような「サブカルメジャー鬱陶しさ」を感じる人も少なくないのかもしれません。


真のマイノリティなら、レーザーディスクとか、パソピア7とか、日立S1とか、3DOとか、ピピンアットマークだろ、と言いたい気持ちもわかる、よくわかる。


そもそも、僕だって、負けようと思って、これらの「結果負け組」を選んできたわけでもないのです。
ベータマックスも、シャープX1も、ライバル機種(VHSやNECのPC88、富士通FM-7)よりも、高性能だったし、「こっちのほうが良いから、こっちが勝つはず。だって、VHSのテープってあんなにバカでかいし、NEC富士通マイコンのテープ読み込みの遅さなんて、待ちくたびれちまうよ」。
そんな僕が、しばらく後には、フロッピーディスクで『ザナドゥ』をやっているPC88やFMユーザーを横目に、階を移動するたびに1時間ロードを待つ「X1テープ版ザナドゥ」にため息をつくことになるのですが。
いや、テープ版を出してくれただけでもすごいことだし、フロッピーディスク買えよ、って話ではあるんですけどね。お金もなかったし、テープ版がそこそこ出るものだから、なかなか当時高額だったフロッピーに移行できなかったんだよ。
そもそも、せっかくX1-Gに買い替えたら、今度はX1-TURBOとか出やがるし。
僕の青春時代にいちばん嫌いだった言葉は、「TURBO専用」でした。
当時は「X1はテープの使い勝手が良すぎるから、フロッピーディスクへの移行が遅れた」とも言われていました。
それが、早々にフロッピーに流れていったライバル機種に取り残されるきっかけになったのだ、と。

技術的に洗練された高性能なものが必ずしも勝利しないという現代エレクトロニクス産業の新「常識」は、ベータの教訓に始まった。

 
スペックを比較したり、使い勝手をみると、こちらのほうが上なのに……という場合でも、「高性能なものが、必ずしも勝利しない」。
思えば、僕の「負け組人生」は、ベータマックスにはじまっていたのか……
ある程度時代の趨勢が決まってから買えばいいのに、つい新しい製品や、その性能に目がいってしまうから、こんな失敗を繰り返してきたのだよなあ、と。


今は、パソコンもブルーレイレコーダーも、どの機種でもそれなりに使えるし、家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機も、任天堂系、ソニー系を網羅すれば事足りるようになりました。
ハードウェアではなくて、OSとかソフトウェアの内部で勝負する時代になってきた。
「課金ソーシャルゲーム」が、パッケージソフト以上の大きな利益をあげているように。


では、時代の「主流」になるためには、何が必要なのか?
「勝ち馬」に乗るには、どうすればいいのか?
正直、なんかよくわからないというか、自分が乗った馬が必ず負けるのではないか、という心境になることもあるのです。


まあでも、こういう「負け組」人生っていうのが、たぶん、自分でも好きなんだろうな。
「ああ、また僕が応援しているほうが負けてる……」っていう、やるせなさ、みたいなのが。