いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

某水族館の「スタンプラリー」で、なんかモヤッとした話

参考リンク:残酷な通信教育のDM - 北沢かえるの働けば自由になる日記


上記エントリと直接の関連はないのかもしれませんが、子ども向けの通信教育関係で、なんだかすごくモヤッとしたことが、先日ありまして。


休日に、幼稚園児の息子を連れて、家族3人で出かけたんですよね。
「どこへ行きたい?」と尋ねたら「すいぞくかん!」と言っていたので、家から車で2時間くらいかけて、河豚がたくさんいる、某水族館へ。
そこでは、入口で「特別企画!スタンプラリー」が開催されていたのです。


小学生以下の子ども限定で、カードに館内各所のスタンプを押していき、全部集めると、プレゼントがもらえる、という企画。
うちの息子はこういう「スタンプもの」が大好きなので、喜び勇んで、館内でスタンプを探しまわっていました。


イルカよりもスタンプ、マンボウよりもスタンプ!


それで、なんとかスタンプを全部集め、出口までやってきました。
息子はもう大喜びです。
で、プレゼントはどこでもらえるのかな……と探してみると、出口の傍に小さなブースがあって、そこには中年女性がひとりと、アルバイトらしき若者が数名。
「スタンプカードとプレゼントの交換はこちらです」という声に従って、そのブースの前に行くと、中年女性は「では、このアンケートに答えて、名前と住所、電話番号を書いてください」と言うのです。


えっ?


その紙をよくみてみると、どうも、あの「○ま○ろ○」の会社みたい(「みずしまひろ」じゃないので念のため)。
プレゼントは、シールか手帳、小さな色鉛筆があったのですが、まあ、買ったら100円もしないものです。
そして、これに答えたら、おそらくダイレクトメールや電話攻勢がやってくることは自明の理。
「お名前や住所、電話番号などの個人情報は本来の目的以外には使用しませんので」とのことだけれども、その「本来の目的」が面倒なんだってば。
僕としては「同じの買ってあげるから、このまま帰ろう!」と説得しようとしたのですが、水族館でスタンプ集めに奔走した息子は、「なんで〜」と不満顔。
結局、アンケートに答えて、プレゼントをもらってしまったのですが……


うーむ、これが違法だとか言うつもりはサラサラ無いんですよ。
むしろ、うまく考えたな、とは思う。
水族館に来る親子連れというのは、あちらにとっても「ストライクゾーンど真ん中」であり、「カモがネギ背負ってやってきた」って感じなんでしょうが、普通にアンケートに答えさせて連絡先を入手しようとしても、なかなか難しいはず。
でも、こんな形式だと、子どもにとっては「せっかく一生懸命スタンプ集めて、シールとかもらえるのに……」と、いう感じになるので、親としても「しょうがないか……」と。


ただ、「あちらとしては効率的に個人情報を集めることができるうまい方法」なのかもしれないけれど、それが「うますぎる」というか「あまりにもこちらの弱点を突きすぎている」ために、「なんかすごくイヤな感じ」ではあったのです。


うちでも「こ○も○ャ○ン○」とかやってましたし、そんなに悪い印象はなかったのだけれども、このやりかたは、ねえ。
しかも、最初から「企業とのタイアップ企画」だと明示されているのならともかく、いかにも、その水族館のイベントみたいな感じで、スタンプカードは配られていたのです。


こういうのって、企画する側は「効率よく家族連れから連絡先をゲットするためのグッドアイディア」としてプレゼンテーションして、公的な施設である水族館側も「自分たちの懐を痛めずに、家族連れにサービスできる」と思っているんだろうけど……


「世の中って、そんなもんだろ」と言う人も大勢おられると思います。
僕もそれは否定できないのだけれども、子どもを巻き込んで、しかも、その水族館自体のサービスだと思いこませるようなやりかたというのは、僕としてはすごくイヤでした。


たしかに、効率は良いのかもしれないけれど、こんなふうに不快感を与えるやりかたって、どうなんだろう?

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