いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

僕が「書評サイト」を続けている理由

参考リンク:書評ブログ」という闇(はてな匿名ダイアリー)


いちおう、書評(というか、僕は「読書感想」だと定義している)のブログをやっている人間としては、いろいろ考えながら読みました。
実際のところ、多読が頭をよくしたり、人間力を高めたりするかというと、必ずしもそうではないことは、世間で「書痴」として知られる方々の顔を思い浮かべていただければ、わかるのではないかと思います。
とはいえ「金のためにやる」には、効率が悪すぎる。
まあ、書評ブログ(今回は便宜的にそう言っておきます)って、アフィリエイト目的とかいっても、全然儲かりませんからね実際のところ。
儲けている人もいるかもしれませんが、かけている労力と時間、本代などを考えると、内職レベルどころか、大赤字です。


で、「書評サイト」としての言い訳を書こうと思っていたのですが、ものすごく長くなりそうなので、今日はやめます。
「なぜ書評サイトをはじめたのか」を思いだしてきたので、それをちょっとだけ書こうと思うのです。

知っている人はほとんどいないと思うのですが、僕は昔から本の感想ばかり書いていたわけではありません。
個人サイトに仕事関係の雑文とか昔のゲームの思い出とかを書いていたのですが、あれこれ書いているうちに、どうしてもその「2大コンテンツ」の枠組みからはみ出るものが出てくたので、その受け入れ先として、はてなダイアリーを始めたのです。
言ってみれば「アウトレット文章置き場」みたいなものですね。


ところが、そこであれこれ書いているうちに「医療もの」とか「ゲーム」という枠組みにとらわれない文章のほうが、書きやすいし、更新しやすくなってきました。
当たり前のことで、本は1日1冊くらい、頑張れば読めますが、ゲームを1日1本なんてできない。
いくらこれまでの人生の「貯金」があったとしても。
仕事の話も、書きにくくなってきましたし。


そういうわけで、いろいろと書き散らしていたんですよ、ブログには。
初期は「ネットについて」の文章が、けっこう多かった。
しかしながら、これもそんなに毎日書けるようなものではありません。
けっこうバトル的なものにもなって、疲れますし。
そこで、穴埋めというか「とくに書きたいものが思いつかないときの穴埋め」みたいな感じで、読んだ本の感想を書くようになったのです。
最初の頃は、それこそ、ネット論的なものはブックマークされたり、アクセスが多かったりしたのですが、本の感想のほうは全くといっていいほど反響がありませんでした。


ところが、ずっと書いていくにつれ、本の感想を少しずつ読んでもらえるようになってきたのです。
ネットの話や雑談的なものは、ちょっと息切れしてきた一方で、本はどんどん読んでいるのでネタ切れしない。
そのうち、本の感想以外のことを書いた日には「なんで今日は読書感想じゃないんですか?」「書評以外は読む気がしない」などという人も出てきて、しだいに今のような感じになっているのです。


正直、読書感想サイトをやろう、と最初から思っていたわけではなく、「なるべく更新できるようなコンテンツ」として、僕にできたのが本の感想だけだったのですよね。
まあ、そんな感じだからこそ、「ものすごく売れている本」から、「あんまり売れないかもしれなけれども、僕は大好きなゲーム関連本」まで、好き勝手にやれているのですけど。
「これで尊敬されたい」「とにかくたくさん売って儲けたい」とは思っていなくて、むしろ、「こうやって自分の好みを書き連ねていくことによって、趣味が近い人が見つかったり、手を挙げてくれなくても、そういう人がディスプレイの向こうでニヤニヤしていてくれればいいなあ」と。
もちろん、売れればそれに越したことは無いですが、「売れて儲かる」より、「これを読んで買おうと思ってくれた人がいるんだな」という喜びのほうが、はるかに大きいです。
引用とかたくさんして感想を書いていることに申し訳なさもあるので、きっかけになって、少しでも売り上げに貢献できればいいな、とも思っています。
本当は、自分の言葉だけで「面白さ」を伝えられればいいんですけどね。


もうだいぶ昔の話になりますが、テキストサイト全盛期からブログの初期の頃って、「おまけコンテンツが人気になって、いつのまにかメインコンテンツを押しのけてしまった」という話がよくありました。
よく「ブログはひとつのテーマを極めたほうがいい」なんて言いますが、なんのかんの言っても生き残っているのって、最初から「これ」っていうより、「市場」というか「読んでくれる人の反応」をみながら試行錯誤していったところが多いのではないかと思うのです。


僕にとっては、これしかできなかった、ってだけで、大層なものじゃないです、本当に。



だいぶ長くなってしまったので、「読書で何が得られるのか?」の話は、また今度にします。

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