いつか電池がきれるまで

”To write a diary is to die a little.”

「読書に集中する方法」と僕が睡眠時間を削って読んだ本8冊

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ブックマークコメントでも、多くの人が「自分なりの集中法」を書いていました。
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僕が集中できる環境というのは、電車や飛行機での移動中(車は酔うので無理)なんですよね。
本を読もうと思って、博多から東京まで、飛行機ではなく新幹線に乗ることもあります。
まあ、そのつもりでも、途中で大概2時間くらいは居眠りしてしまうんですけど。
ただ、本を読んでいて眠気に耐えきれなくなって、ウトウトしてしまうというのは、けっこう至福の時間なんですよね。
あと、ビジネスホテルの部屋で一人きりのとき、というのは、すごく集中できる環境です。
どうも、普段は周りに誘惑が多すぎるのかもしれません。

ただ、もっとも「集中できる」のは、病院で当直しているとき、いつ呼ばれるかとドキドキしつつ、こんな時間があるのなら少しでも眠っておいたほうが良いのではないか、と罪悪感を抱きつつ読む、というシチュエーションのような気がします。
当直室で読む本って、どうしてあんなに面白いのだろうか。
だからといって、本を読むために当直をしようとは全く思いませんが。
忙しい当直って、絶対に寿命を削っている。


プレッシャーがかかっているときの逃避的な読書というのは「テスト前にふと手にとったマンガ」とか、「引っ越しの準備中に見つけた、読みかけの本」とか、いろいろあるんですが。


そういう外的な要素を除いて考えれば、いちばん集中できるのは、なんといっても「面白い本を読んでいるとき」だと思うんですよ。
もちろん、本の面白さというのは普遍的なものではなくて、そのときに置かれた状況による、というのはあるのですが、とりあえず、僕が本当に睡眠時間を削って読まずにはいられなかった本を8冊、紹介してみます。


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この本のなかで紹介されていた、「ゲーム理論」の問題を御紹介してみます。
テストじゃない数学って、なかなか面白いものですね。
 よかったら、ちょっと考えてみてください。

 ある日、クロ氏とグレー氏とシロ氏は、もめごとを解決するためにピストルで決闘をすることにした。決闘は一人だけが生き残るまで続けることになった。クロ氏はピストルが下手だったので、平均して3回に1回しか的に当たらない。グレー氏はそれよりもいくらかましで、3回に2回は的に当たる。シロ氏はピストルの名手で、百発百中だった。公正を期するため、クロ氏が最初に発砲し、次にグレー氏(彼がまだ生きていれば)、最後にシロ氏(まだ生きていれば)という順番で、一人が生き残るまで続けることにした。問題はこうである。「クロ氏ははじめにどこを狙うべきだろうか」直感にしたがって答えるも良し、ゲーム理論にもとづいて答えるも良しである。

 さて、この答え、わかりますか?(答えは上記のこの本の感想から読めます)。



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以前、「と学会」の本で、会員になった占い師に対する「バードウォッチングの会に入ってきた鳥」だというたとえがあったのを記憶しているのですが、水道橋博士は、その逆で、「バードウォッチングに夢中になりすぎて、鳥になってしまったバードウォッチャー」のように僕には感じられます。
本質的には「観察者」なんじゃないかな、と。


水道橋博士の芸人話の特徴は、登場する芸人さんたちが、博士を「仲間」と認識して、自分の内心を明かしているところなのです。



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この作品、本当に「アツい」。暑苦しいほどアツい。
そして、滅法面白い。
僕は体育会系とは極北の世界を生きてきた人間だし、彼らの「独善性」にはずっと反感を抱いてきたはずなのに。
僕にとっての体育会系とは、もしかしたら、「憧れ」だったのだろうか、なんてことまで、考えてしまいました。



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この本を最初にパラパラとめくった印象としては、「とりあえず外国人に、日本のことを褒めさせておけば、日本人は喜ぶだろ本」なのじゃないか、という感じだったんですよ。
僕も含めて、みんな、食べ物の話が大好きだし、海外に出かけるたびに「やっぱり日本食がいちばん良いなあ」という結論を抱えて戻ってきますしね。


でも、この本はたしかに面白かった。
日本で暮らしていると「あたりまえ」のように見える風景が、イギリスから来ると、こんなふうに見えるんだなあ、と。



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 正直、僕はこの本にかかれていることを、自分の中でうまく消化しきれていないのです。
「ワガママな人」のほうがみんなに愛され、報われるのだとしたら、相手に気を遣って、何も言わない人は、損をしているだけなのだろうか?とも思うし、ボランティアの人たちが、こうして自分自身と向き合い、語る言葉を持っていることが、ちょっと羨ましい気もするのです。



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 もちろん、創生期の海洋堂に参加し、いまも作り続けている人は、ボーメさんだけではありません。
 しかし、数々の才能がひしめいていた海洋堂、あるいは日本のガレージキット、フィギュア界で、生き残り、ビッグネームとなった人のひとりが、この「女の人と喋れない」「自分の好きなものしか作れない」ボーメさんだったというのは、なんだかとても象徴的なことのような気がするのです。
 御本人は、「好きなことをやってきただけ」なのだろうけれど、ひとつのことを、これだけの時間、好きでいられるというのは、すごく難しいことなのではないかなあ。
 そして、ボーメさんも、もう少し前の時代に生まれていたら、いまのように原型師としての名声に包まれることはなかったかもしれません。
 オタクが、オタクとして生き続けるというのも、けっこう難しい。
 一生、ロッカーとして生き続けることが難しいように。



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 僕は、らもさんが若くして亡くなられたとき、まだこれからいろんな作品が書けたはずなのに……もったいない……と嘆いていました。
 多くのファンも、同じ気持ちだったと思う。

 でも、ここで身近にいた鮫肌文珠さんが描く「あの事故の前の中島らも」の姿を読むと、いろんな意味で、らもさんは、もう「ギリギリまで生き抜いてしまった」ような気がしたのです。
 あれは、事故ではあったけれど、らもさんは、もう限界だったのではなかろうか。
 むしろ、よく50過ぎまでがんばって生きつづけた、と思ったほうが良いのではないか。
 それも、12年経ったから、という話ではあるのかもしれないけれど……



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 書店で見かけて、「おお、これはリアル『火花』(又吉直樹さんの芥川賞受賞作)だな」と思いつつ購入。帰ってさっそく一気読みしました。
 軽い気持ちで読み始めたのですが、読んでいるうちに、寝転がって読むのが申し訳なくなってきて。
 こんなにヒリヒリする本は、そんなに無いと思います。


 以上、ここ数年読んだ本のなかで、「本当に睡眠時間を削って読んだ本」を8冊挙げてみました。
 こうしてみると、僕は「伝記」的なものが好きなんだなあ、と考え込まずにはいられませんし、偏りがあるのは承知の上ですが、少しでも興味を持っていただけると嬉しいです。


七帝柔道記 (角川文庫)

七帝柔道記 (角川文庫)

海洋堂創世記

海洋堂創世記